投与後の経過
キムリアの投与によりサイトカイン放出症候群や重篤な神経系事象などの副作用があらわれることがあります。症状が重篤な場合には、集中治療室での治療を行うことがあります。
キムリアの治療により重篤な副作用が起きる可能性があるため、キムリアの投与後、⼊院で経過観察を⾏う場合があります。その後、必ず定期的な通院をしてください。
キムリアの投与後、1年以上たっても、B細胞数の低下などが続く場合があります。
また、重篤な感染症などが発現する可能性があります。
どのくらいの頻度で、いつまで通院を続けるのかなど、主治医と相談してください。
退院後の注意点
キムリアの投与後、意識障害や運動機能の低下が起きる可能性がありますので、⼀定期間は自動車の運転や危険を伴う機械の操作などは行わないようにしてください。これらを操作する必要がある場合は、主治医にご相談ください。
日常生活の注意とヒント
異常を感じたらすぐに主治医に連絡する
もし、体に異常を感じたら、すぐに主治医に連絡しましょう。
周囲の方に協力してもらう
意識障害や幻覚・混乱など、精神神経の不調による症状が起こることがあります。治療の副作用でこうしたことが起きる可能性を周囲の方に理解していただき、注意してもらうように協力を依頼しましょう。もし、異常がみられたら、すぐに主治医に連絡できるように連絡先を伝えておくとよいでしょう。
キムリア連絡カードを活用
緊急時などに適切な処置を受けられるように、キムリア連絡カードをいつも持ち歩き、医療関係者に提示できるようにしておきましょう。
血圧測定や体温の記録
血圧の変化や感染症などの副作用が起きていないか確認するためにも、毎日決まった時間に血圧と体温を測定し、記録することを心がけましょう。
転倒やけがに注意
出血が止まりにくいことがありますので、けがに注意しましょう。疲れたり、立ちくらみが起きたり、めまいを感じやすくなっています。そのような症状を感じたら、無理に動かず、安静にして転倒やけがに気をつけましょう。
規則正しい生活を心がける
十分な睡眠時間を取り、バランスの取れた食事をできるだけ決まった時間に取るようにしてください。規則正しい生活により、疲労から回復しやすくなったり、胃腸の調子が整って食欲が増したりして、体力の維持や回復につながります。
妊娠を避ける
理論上、キムリアの治療が胎児の免疫力を低下させる可能性があります。キムリアの治療後は、男性も女性も有効な避妊について主治医と相談してください。
血液、臓器、組織および細胞を提供しない
移植のためにドナーとして⾎液、臓器、組織および細胞を提供しないようにしてください。
その他の注意
キムリアの投与後、HIV検査で偽陽性(HIVに感染していないのに陽性となること)となることがあります。別の病院でHIV検査を受ける際には、キムリアの治療を受けたことを伝えるようにしてください。